今年創流五十周年を迎えた芸能山城組が、長年追求してきた意識を失わない恍惚の状態、すなわち〈ライト・トランス〉性の音表現を進化させたこれまでにない音体験の創出を通じて、危機に瀕する地球の未来を精神世界から転換させる試みに挑戦します。
このたびの公演「幻響」其之壱〈黎明〉で、新たな音世界が生まれる瞬間にぜひともお立合いいただくとともに、地球と人類とをもう一度ひとつにするために音楽にできることがあることを、ぜひ皆様ご自身の耳と心で感じ取ってください。
【プログラム】
第一章 幻唱から幻響へ
第一章では、芸能山城組のライト・トランス性音楽へのアプローチを、代表的な作品の演奏によって辿ります。〈幻唱〉の原点となったブルガリアの女声合唱、ジョージアの男声合唱、そして、古代日本人とさまざまな共通性をもつタイ山岳地帯に棲むアカ人の相聞歌にヒントを得た新しい形式のポリフォニー〈御綬結い(みしるしゆい)〉といったア・カペラをお届けします。
さらに、今回の公演のために制作した新しいチューニングによるジェゴグ、幽玄甘美なガムラン・スマルプグリンガンがフルコーラスに加わり、〈幻響〉の魅力的な萌芽となった『輪廻交響楽』の〈転生〉など、声と楽器音との融合による音世界の拡がりを堪能していただきます。
演奏曲:ブルガリア女声合唱〈ピレンツェの歌〉、ジョージア男声合唱〈ディアンベゴ〉、『歌垣幻唱』から〈御綬結い〉、『輪廻交響楽』から〈瞑憩〉〈転生〉など
第二章 『幻響AKIRA』
アニメ映画『AKIRA』(大友克洋監督)の世界を彩った『交響組曲AKIRA』を元にした、声、楽器、電子楽器に加えてサウンド・レインフォースメントの活躍する作品です。見違えるような変貌を遂げたライブパフォーマンス『幻響AKIRA』をお楽しみいただきます。
〈金田〉〈クラウンとの闘い〉など、声とジェゴグ、電子楽器が交錯するおなじみの曲とともに、AKIRAサウンドトラック制作時(1988年)に使用していたガムラン・スマルプグリンガンを復活させて合唱と共に演奏する〈鉄雄〉がステージに初登場するなど、〈幻響〉の現時点の到達最前線をお届けします。
演奏曲:『交響組曲AKIRA』から〈回想〉〈荘厳陀羅尼〉〈金田〉〈クラウンとの闘い〉〈鉄雄〉〈ケイと金田の脱出〉〈未来(レクイエム)〉