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研究調査

Ⅱ. 研究ハイライト

Research Highlights

6.非言語脳をフルに活用するそろばん達人の驚異的な暗算

 私たちは暗算をおこなうとき、言語化された数を計算のルールに従って脳の中で操作し、その結果を言語として保持することをくり返して、計算を進めていきます。この場合、2桁の足し算でもかなりの困難を伴います。これに対してそろばんの達人は、そろばんという具体的な道具の使用に習熟した後、系統的な訓練によって段階的にそろばんをバーチャルに非言語脳の中にインストールします。この脳内そろばんを巧みに操ることにより、言語的な情報処理に頼ることなく最大13桁もの暗算、しかも四則演算だけでなく平方根の計算までを楽々とこなすことができるようになります。
 そろばん熟練者が悠々と6桁の暗算を行っているときの脳活動を磁気共鳴機能画像で調べてみたところ、左右の非言語脳がバランスよく強く活性化していることがわかりました。これに対して、素人が1桁の暗算を必死でおこなっているときには、言語脳に相当する左脳に強く偏った活動がみられることもわかりました。これらの結果は、非言語脳が潜在的にもっている活性が、言語脳のもつ能力とは比較にならないくらい高い潜在能力をもっていることを示しているものと考えられます。

主な発表論文

  • Hanakawa T, Honda M, Okada T, Fukuyama H, Shibasaki H (2003) Neural correlates underlying mental calculation in abacus experts: functional magnetic resonance imaging study. Neuroimage 19:296-307.
  • Tanaka S, Michimata C, Kaminaga T, Honda M, Sadato N (2002) Superior digit memory of abacus experts: an event-related functional MRI study. Neuroreport 13:2187-2191.